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2006年1月17日

庭劇団ペニノ 「ダークマスター」

darkmaster原作が狩撫麻礼・泉晴紀の漫画(未読)という以外はほとんど予備知識なしで観た庭劇団ペニノ「ダークマスター」@こまばアゴラ劇場。なので各席に置いてある袋入りのFMラジオをまずはプレゼントかと。ありえないわけだが。冒頭、ディティールまで作り込まれた定食屋のセットとそこに乗っかる演技のヤニ臭いこと。なかなか得難いものがあると思う。やはり狩撫麻礼(土屋ガロン名義)原作『オールドボーイ』の冒頭部で主人公が中華料理屋を食べ歩くシーンを思い起こしたりもした。一連のやりとりが終わって暗転、そこに流れてくる音楽がドナドナ。うっわ久々に強烈な世界観、ぐわとつかまれる。あとはどうぞ最後までこの世界を味わい尽くしくださいという。庭劇団とはまさによくぞつけたもの。

「ダークマスター(=闇の支配者)とは誰か?」という謎かけを、現実とも幻想ともつかないような不条理な出来事をちりばめることで複層的に構成している。だから見る側にはさまざまな解釈が成り立つんだろうが、どうにも他人の夢日記をプロファイルするような不毛感がぬぐえない。それよりもFMラジオ越しに聞く無機質な肉声や、実際に料理されるステーキやオムライス&そのニオイといった意匠に身を浸していたい。マメ山田のデビッド・リンチ世界の住人のような存在感、バアさんの目の縁取りや黒い口紅にキバっていうベタさ加減を堪能したい。そうすればラストにとてつもないカタストロフィーを迎えることができる。

主宰のタニノクロウは久々にあらわれた良質の香具師なんじゃないか。やってることはゆってみりゃゴス版後藤ひろひとなんだけど、世界観の偏執的なつくりこみと観客を煙に巻くインテリっぽさやアートっぽい目くらまし、そのぶ厚さが効いている。唐十郎や寺山修司なんてまさに超一級の香具師だったわけで、あのレベルのハッタリまであと一歩だろう。あと足りないのは金か?話題性か?でもそんなものはじきに追っついてくるにちがいない。

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